園長先生のお話(その2)


   「園長先生、泣いてたでしょう?」


昨年の12月に、保育園として初めて「生活あそび発表会」を都内の区民会館で行った時の話です。

まず区民会館の借用については、6か月前に抽選で決定されます。
12月の土曜日実施を目標に6月1日抽選会場に臨んだわけですが、申込団体は20数団体、利用できる土曜日は3回、おまけに抽選権は20番目、土曜日は最初の3団体で押さえられ最悪の状態でしたが、前日の金曜日をリハーサル日として指名していたのが幸いし、金曜日の1日だけの使用が割り当てられました。

本園・分園ともに、場所的・距離的制約から一度も合同で練習ができず、また、抽選の結果からリハーサルが本番になってしまい、リハーサルなしで本番を迎える羽目になってしまいました。
初めての舞台がいきなり本番で、子どもたちはたくさんの保護者達の前で固まって動けなくなってしまうのではないか、舞台が広く慌ててしまうのではないかとか心配だらけでした。
当園は、基本的なクラス編成として乳児クラス(0・1・2歳)は年齢別に、幼児クラスは3・4・5歳児混合の縦割り編成をとっています。  

   

さて、いざ始まってみると当初の心配などどこ吹く風で・・・皆さん想像してみて下さい。

0歳、1歳、2歳の園児が舞台に立つだけでも「かわいい」のどよめきが渦巻きます。
幼児の場合、演技の最中、壇上で年下の子が立ち位置がわからず、戸惑っている様子を年上の子が見ると「ここよ、ここよ」と教えている姿が頼もしく、演技の出来栄えもさることながら、このような「思いやり」に感動してしまいました。

保護者からの反響を一部紹介します。

* 子どもたちの可愛いい姿を大舞台で見ることができ、感謝です。
* 子どもの成長を家族で感じることができ、とても温かい気持ちになりました。 
  他のクラスの子どもたちの発表でも涙腺が緩みっぱなしでした。 とても楽しかったです。
* まさか3歳であんなに素晴らしいステージに立たせて頂けるなんて・・・なんて贅沢なんでしょう(笑い)。 
  少し緊張していたように見えましたが、とても貴重な経験ができたのではと、とても本当に感謝しています。
* 子どもたちだけで舞台に立ち、立ち位置もしっかり覚えていることに驚きました。
  (補足:舞台では一度も練習はしていません。)

ステージの最後を飾ったのは年長児(5歳児)による「よさこいソーラン」でした。

地元町内会のお祭りでも着ることができるように、地元の協力を得て半纏を作り、本番3日前には何とか間に合わせることが出来ました。
保護者も初めて見る真新しい半纏を着た年長児が、広い舞台で元気一杯掛け声を出し合って一生懸命踊っている姿を見て、私自身もそうでしたが感動して涙が出て止みませんでした。
また、年長児以外の保護者の方々も「年長になればこんなにできるのだ」という目安が分かり、安心してもらえたのではないかと思っています。

保護者の感想です。

* よさこいソーランずっと見たいと思っていたので感動しました!非常に良かったです。

最後は、「園児による終わりの挨拶」に引き続き、両園の「保護者代表による挨拶」があり、最後に「園長の挨拶」で終わりになります。

私は、壇上に立ってもしばらく声が出ませんでした。 会場は一瞬シーンと静まりかえっています。
そんな中、涙ながらに最初に出た言葉は「70歳になって、子どもたちからこんな素晴らしい感動をもらえるなんて、子どもたちに『ありがとう』を言わせてください。」でした。
なんで涙ながらに話してしまったのか照れくさい思いと、直後の保護者の感想を読んで、あれでよかったのだという思いが入り混じっています。

保護者の感想です。

* 園長先生の最後の挨拶に、私たち保護者も感動してしまいました!!

この発表会を契機に保護者との信頼関係がさらに深まったように感じています。
子どもたちからは、「園長先生、泣いてたでしょう?」と、ひやかされる日々がしばらく続いていました。


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