野草観察
    4月に出会った野草

長岡 弘
  2区隊
  職種: 普通科


「3月に出会った野草」で28種を紹介しましたが、引き続ききれいな花を見せてくれています。
今月は、新たな顔ぶれ27種、それに類似植物1組を紹介します。

イモカタバミ:道端や人家の傍などでよく見かけます。写真のように多くの花をつけている場合が多いです。花は直径1.5㎜ほどの紅紫色で、濃紅色の筋が目立ちます。南アメリカ原産の帰化植物です。
ムラサキカタバミ:道端などで見かけます。花はイモカタバミによく似ていますが、直径2㎝ほどでやや大きく、淡紅色をしています。南アメリカ原産の帰化植物です。
※イモカタバミとムラサキカタバミの見分け方
 イモカタバミは花の中心部が濃紅紫色で葯が黄色なのに対し、ムラサキカタバミは中心部が薄黄色で葯は白色です。

  

コマツヨイグサ:道端や河川のテラス脇などで見かけます。河川沿いでは群生が見られます。花は直径4㎝ほどで、夕方から咲き始めて朝早くには閉じてきます。閉花後は徐々に赤みを帯びてきます。北アメリカ原産の帰化植物です。
ユウゲショウ:道端、草地、荒地、コンクリートの隙間などで逞しく花を咲かせています。高さは20~60㎝ほどです。花は半径1㎝ほどで淡紅色、雄しべは8個、花柱は4裂しています。南アメリカ原産の帰化植物です。

  

アコウグンバイナズナ:公園内の細い流れの脇で出会いました。帰化植物の図鑑では「本州中部以南で稀に見られる」とあったので、この出会いはちょっとした感激でした。高さは50㎝ほど、直径4㎜ほどの白色の花を沢山つけています。果実は成長中のものです(4月19日現在)。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
マメグンバイナズナ:道端で見かけます。「3月⑥ ナズナ」をコンパクトにしたような姿をしています。高さは20~50㎝、花は3㎜ほどで白色をしています。果実は軍配形で直径3㎜ほどです。北アメリカ原産の帰化植物です。

  

ニワナズナ(アリッサム):道端などの水はけと日当たりのよい所で見かけます。直径4㎜ほどの白い花を沢山つけています。地中海地方原産の帰化植物です。
オランダガラシ(クレソン):水辺で群生しているのを見かけます。花は白色で直径6㎜ほどです。ヨーロッパ原産の帰化植物です。

  

カラクサナズナ(カラクサガラシ):道端や造成地などでよく見かけます。直径1㎜ほどの小さな白~淡黄色の花をつけていますが、目立ちません。独特の臭気があり、家畜がこれを食べると乳や肉に臭みが移ってしまいます。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
ホソエガラシ:道端でよく見かけます。交通量の多い車道脇で、細い体を揺らしている姿を撮りました。直径4㎜ほどの淡黄色の花を沢山つけています。果実は細く、長さ5㎝ほどになります。南ヨーロッパ原産の帰化植物です。

  

オオジシバリ:湿り気のあるような草地で見かけます。高さは10~30㎝で、直径3㎜ほどの黄色の花をつけています。
オニタビラコ:道端、公園、玄関脇コンクリートの隙間など、あちらこちらで見かけます。高さは0.2~1mで、直径8㎜ほどで黄色の花をつけています。

  

ウラジロチチコグサ:街中のほとんどのところで見かけます。葉の裏が白いのが特色で、高さは20~80㎝です。花は茎の上部に集まり、直径4㎜ほどで黄緑色をしています。南アメリカ原産の帰化植物です。
ハハコグサ:道端、草地などで見かけます。全体が白っぽく見え、高さは10~40㎝ほどです。花は黄色で茎の上にまとまってつき、直径は2㎜ほどです。

  

マツバウンラン:道端、河川堤防の草地などで見かけます。茎は細く、高さは20~60㎝です。花は青紫色、直径1㎝ほどの唇形をした仮面状で、中央部は隆起して白色、上唇は2裂、下唇は3裂しています。北アメリカ原産の帰化植物です。
ムシクサ:少し湿り気のあるような草地などで見かけます。高さは10~20㎝ほど、花は白色で直径2~3㎜ほどです。

  

ゼニアオイ:学校校舎前広場のコンクリート部分の隙間に生えていました。高さは60㎝ほど、花は直径3㎝ほどでした。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
ヤエムグラ:草地、道端などに一面に広がって生えているのを見かけます。花は小さくて1~2㎜、黄緑色をしています。花は小さくても、雄しべは4個、雌しべ(花柱)は2個あります。

  

ナガミヒナゲシ:道端、住宅の玄関先などあちらこちらで見かけます。高さは20~60㎝、花は朱赤色で直径3~6㎝です。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
ムラサキサギゴケ:湿り気のある草地に群生しているのを見かけます。花は薄紫色、長さは1.5~2㎝で唇形をしています。上唇は2裂、下唇は3裂して中央部に黄褐色の斑紋があります。

  

セイヨウジュウニヒトエ:公園の果樹林内で数株見つけました。高さは20~30㎝、10個ほどの花が固まってついていて、各花は長さが1㎝ほどの青紫色で唇形をしています。北ヨーロッパ原産の帰化植物です。
ブライダルベール:セイヨウジュウニヒトエ近くで咲いていました。高さは10~20㎝、花は白色で8㎜ほどの大きさです。

  

ヤセウツボ:河川沿いコンクリート道の隙間でノゲシに寄生していました。草地でムラサキメクサなどに寄生しているのは度々見かけますが、このような自生環境で見かけたのは初めてです。高さは15~40㎝、茎の上部に淡黄褐色の長さ1.5㎝ほどの唇形の花をつけていました。ヨーロッパ~北アフリカ原産の帰化植物です。
ノミノツヅリ:道端や草地などでよく見かけます。写真のものは車道脇で歩道部分との隙間に生えていました。高さは10~25㎝、花は白色で直径5㎜ほどです。

  

ヘビイチゴ:道端、草地などでやや湿り気の多いようなところで見かけます。茎は地を這い、花は黄色で直径1.2~1.5㎝です。
シロツメクサ:クローバーでお馴染みの帰化植物(ヨーロッパ原産)です。20㎝ほどの茎先に長さ1㎝ほどの小さな白い花を球状(2~3.5㎝)につけています。江戸時代にオランダからガラス器を送ってきたとき、壊れないように乾燥したシロツメクサを詰め物にしたことから「詰草」の名が生まれました。

  

スズメノエンドウ:道端、草地などで見かけるつる性の植物です。花はふつう4個ついていて、色は薄紫色で長さは1.2~1.8㎝です。カラスノエンドウに比べて全体に小型なのでスズメを冠したと言われています。観察結果では、固まってついている花の数は2~5個、中には1個もありました。
スズメノエンドウとカラスノエンドウの比較:百聞は一見に如かず・・・、左がカラスノエンドウ、右がスズメノエンドウです。

  



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