野草観察
    6月に出会った野草

長岡 弘
  2区隊
  職種: 普通科


これまでの紹介は街中で出会った野草が主体でしたが、今月は趣を変えて都内東側を流れる荒川の左岸を散策しました。
その範囲は、河口から3.5㎞付近に架かる船堀橋から下流の葛西橋までの約2.3㎞です。
左が船堀橋(荒川渡河部の橋長:524m)、右が葛西橋(同:565m)です。何れも左岸上流側からの撮影です。船堀橋右手遠方には東京スカイツリーが写っています。葛西橋の手前に写っているのはヨシ(アシ)です。

  

これまで投稿してきた野草(83種)の40%ほどにも出会いましたが、今回も新規分のみを紹介します。
アカバナルリハコベ:花は直径1㎝ほどの黄赤色、開花の時間帯は午前中です。茎は地を這って斜上し高さは10~30㎝になります。ヨーロッパ原産の帰化植物です。 
ネジバナ:花は長さ4~6㎜の紅桃色~淡桃色、高さは10~40㎝になります。100株ほど出会いましたが、花の巻き上がり方は右巻き、左巻きの両方ありました。また、白花種が1株ありました。

  

ウシオツメクサ:花は直径6~8㎜、花弁の中心部は白色で先の方は淡紅紫色になっています。茎は地を這って斜上し高さ5~20㎝になります。開花は昼頃、15:00頃に撮影しました。帰化植物ですが原産地は不明です。
ハナハマセンブリ:花は直径8㎜ほどの桃色、高さは20~50㎝になります。きれいな花をつけていますが、、小さくてあまり目立ちません。ヨーロッパ原産の帰化植物です。

  

クサイ:花は小さくて目立ちませんが、4㎜ほどの先の尖った花被片の中心部に雄しべと雌しべがあり、整ったつくりをしています。高さは30~50㎝です。
ハマスゲ:花は赤褐色の穂につき、白い線状のものが雌しべ(先が3裂しています)、黄色い棒状のものが雄しべです。高さは10~40㎝です。

  

ノジシャ:花は直径2㎜ほどの淡青色、高さは10~30㎝です。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
イヌタデ:花は紅色ですが、写真は花期を終えた果実期のものです。高さは30~50㎝です。

  

シマスズメノヒエ:花は黒紫色、高さは1mほどに達します。南アメリカ原産の帰化植物です。
ヨシ(アシ):花期は8~10月、高さは1.5~3mです。中央付近の遠方に見えているのは東京スカイツリーです。

  

イヌムギ:閉鎖花(花弁が開かず、つぼみのままで結実する花)が多く、たまに雄しべ、雌しべが外に現れることがあります。タイミングよく開花しているものに出会うことができました。高さは50~100㎝、南アメリカ原産の帰化植物です。                   
エノコログサ(ネコジャラシ):長さ3~6㎝の穂に緑色の花を密につけます。高さは30~80㎝です。

  

オオカワジシャ:花は直径5㎜ほどの淡紫色、高さは30~100㎝です。ユーラシア原産の帰化植物です。
カワジシャ:花は直径3~4㎜ほどの白味の強い淡紅紫色、高さは10~50㎝です。

  

イヌホオズキ:花は直径6㎜ほどの白色で反り返っています。高さは20~60㎝、果実は緑色から黒色に熟します。アジア北東部原産の帰化植物です。
ワルナスビ:花は直径2㎝ほどの白色又は淡紫色です。高さは40~70㎝、果実は黄色に熟します。北アメリカ原産の帰化植物です。

  

コニシキソウ:茎は地面を這って広がり、長さは10~25㎝になります。葉は長さ0.7~1㎝、表面の暗褐色の斑点が目立ちます。この仲間(次のオオニシキソウや5月に紹介のチャボタイゲキなど)の花は、杯状花序(はいじょうかじょ)という変わったつくりをしています。北アメリカ原産の帰化植物です。
オオニシキソウ:茎は斜上又は直立して、高さは20~40㎝になります。葉はコニシキソウよりも大きく、長さ1.5~3.5㎝です。北アメリカ原産の帰化植物です。

  

コメツブツメクサ:花は直径7㎜ほどの花序に5~20個集まってつき、高さは50㎝ほどになります。個々の花は長さ3~4㎜の蝶形花で、ヨーロッパ~西アジア原産の帰化植物です。
ミヤコグサ:花は長さ1~1.5㎝の黄色の蝶形花です。茎は地を這って広がり、長さ15~35㎝になります。

  

アレチハナガサ:花は直径3㎜ほどの淡青紫色、高さは2mほどになります。南アメリカ原産の帰化植物です。
シナガワハギ:花は長さ4~6㎜の黄色、高さは50~90㎝です。江戸時代末期に東京・品川付近で見つかったのでこの名があります。アジア原産の帰化植物です。

  

ヒメジョオン:花(頭花)は直径2㎝ほどで、周りの舌状花は白色又はわずかに淡紫色を帯び、中心部には黄色の小さな花(管状花)が集まっています。高さは30~130㎝、アメリカ原産の帰化植物です。
コセンダングサ:花は黄色で、直径1㎝ほどの円柱状の塊(頭花)の中に小さな花(管状花)が集まっています。高さは50~100㎝、熱帯アメリカ原産の帰化植物です。

  

コアカザ:この仲間(アカザやシロザなど)の花は、雌しべが成熟した後に雄しべが伸びてきます。この写真は雄しべの時期(雄性期)のものです。ユーラシア原産の帰化植物です。
マツバゼリ:花は白色、直径1㎜ほどで,ちょっと見た目には白い点が広がって線香花火のようです。セロリに似た香りがします。熱帯アメリカ原産の帰化植物です。

  

ツユクサ:花弁は上の2個が大きくて青色、下側の1個は小さくて白色、高さは30~50㎝です。朝開花し、半日でしぼみます。
コモチマンネングサ:花は黄色で直径1㎝ほど、茎は地を這って斜上又は直立して高さ6~20㎝になります。葉の付け根に珠芽(むかご)をつけ、それが地に落ちて繁殖します。

  


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