野草観察
    7月に出会った野草

長岡 弘
  2区隊
  職種: 普通科


厳しい暑さの中で元気な姿をしている、いろいろな野草に出会いました。 似かよった仲間や特色ある野草28種を紹介します。

ヒルガオ:朝方にだけ花を開くアサガオに対し、日中に花を開くことからこの名があります。花は直径5㎝ほどの淡紅色です。葉(右下枠内)はほこ形又は矢じり形で基部が後方に突き出ています。
コヒルガオ:花は直径3~4㎝ほどの淡紅色です。葉(左下枠内)はほこ形で基部が横に張り出しています。張り出した部分が2裂しているものが多いです。花柄の上部(左上枠内)には縮れたヒレがあります。ヒルガオ(①右上枠内)にはこのヒレはありません。各花の直径は図鑑に拠りましたが、適用外の花にも数多く出会いました。両者を見分けるには、葉の形と花柄上部のヒレの有無によるのが参考になると思います。

  

アフリカフウチョウソウ:茎は地を這い、高さ10㎝ほどまで立ち上がります。花は咲き初めの時期は淡青紫色で、時間が経つと淡紅紫色に変化します。4枚の花弁は全て上向きで、長さは1㎝弱です。熱帯アフリカ原産の帰化植物です。
セイヨウフウチョウソウ:高さは1mほどになります。花は白又は淡桃色で、長い雌しべと雄しべ(4本)が突出している姿がユニークです。熱帯アメリカ原産の帰化植物です。「フウチョウソウ」の名は、蝶が風に舞う姿を連想させる「風蝶草」からきています。

  

ノラニンジン:高さは0.5~2mほどになります。茎の先に小さな花が集りを形成します。野菜の人参が逃げ出して野生化したものといわれています。根は直径1㎝ほどで赤くはなりません。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
セリ:高さは20~80㎝になります。ノラニンジンと同じように枝先に小さな白い花を沢山つけます。春の七草の一つで、食すのは主に春ですが、花は夏に咲きます。

  

タマガヤツリ:高さは20~50㎝ほどで、茎の先に1~6個の球状(直径1㎝ほど)の穂の集まりをつけます。穂の色ははじめ緑色、後に暗褐色になります。
ヒメクグ:高さは5~20㎝ほどで、茎の先に1個、ときに2~3個の球状(直径0.7~1㎝ほど)の穂の集まりをつけます。色は緑色です。

  

キキョウ:高さは0.5~1mほどで、花は直径4~5㎝の青紫色です。開花直後の花は、黄白色の5個の雄しべが青い雌しべを囲んでいます(右上枠内)。雄しべは花粉を出すと倒れます。
ミゾカクシ:高さは10~15㎝ほどで、淡紅色をした花は花弁2個が横向き、3個が下向きになっています。雄しべは雌しべの花柱を取り囲み、蛇が鎌首をもたげているように見えます。雄しべが花粉を出してから、雌しべの頭柱が頭を出します(左上枠内)。

  

オオケタデ:高さは1.5mほどになります。枝の先につく長さ10㎝ほどの穂に紅紫色の小さな花を沢山つけます。インド~中国原産の帰化植物です。
ミズヒキ:高さ50~80㎝ほどで、細い茎の先の方に小さな花がまばらに横向きにつきます。色は花被片(花弁はありません)の上半分が赤色、下半分が白色です。花被片ごとではなく、線を引いたように色分けされています。

  

サフランモドキ:高さは25㎝ほどで、花は直径6㎝ほどの淡紅色~紅色です。中央アメリカ原産の帰化植物です。
タマスダレ:高さは20~30㎝ほどで、花は直径4~5㎝ほどの白色です。南アメリカ原産の帰化植物です。

  

ルリフタモジ:高さは0.3~1mほどで、茎の先に5~10個の淡紫色の花をつけます。南アフリカ原産の帰化植物です。
アメリカタカサブロウ:高さは0.6~1mほどです。頭花は直径1㎝ほどで周りに白色の舌状花が、内側に緑白色の筒状花がついています。熱帯アメリカ原産の帰化植物です。

  

オオキンケイギク:高さは30~70㎝ほどで、花は直径5~7㎝ほどの橙黄色です。北アメリカ原産の帰化植物です。
キバナコスモス:高さは40~60㎝ほどで、花は直径5~6㎝ほどの橙色~黄色です。メキシコ原産の帰化植物です。

  

アメリカオニアザミ:高さは1.5mほどになります。花(頭状花)は直径3~4㎝ほどの紅紫色で、鋭い棘があります。ヨーロッパ原産の帰化植物です。和名に「アメリカ」とありますが、北アメリカから輸入された牧草などに混ざって持ち込まれことからこの名があります。誤解を避けるため「セイヨウオニアザミ」と呼ばれることもあります。
アラゲハンゴンソウ:高さは90㎝ほどになります。花(頭状花)は直径7㎝ほどで、舌状花は黄色で14枚前後、筒状花は暗紫色をしています。北アメリカ原産の帰化植物です。

  

ムラサキオオツユクサ:株全体が暗紫色を帯びています。花は直径1㎝ほどの桃色で、朝開いて昼ごろにはしぼみます。メキシコ原産の帰化植物です。
ヒメヒオウギズイセン:高さは50~80㎝、花は直径3㎝ほどの朱赤色で、下の方から上に向かって開きます。南アフリカ原産の帰化植物です。

  

ヒロハノレンリソウ:茎はよく分岐して数mに達します。花は蝶のような形をしており、直径3㎝ほど、色は紫紅色~白色までと多様です。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
ツタバウンラン:茎は長さが10~40㎝、花は長さが7~9㎜の白色〜淡青色で暗紫色のすじがあります。地中海地域原産の帰化植物です。

  

クマツヅラ:茎は四角形で30~80㎝、花は直径4㎜ほどの淡紅紫色です。
セイバンモロコシ:高さは1~1.5m、その先の方に15~30㎝の穂を出し、多くの小穂をつけます。小穂の長さは4~6㎜です。地中海地域原産の帰化植物です。

  

ビロードモウズイカ:高さは1~2mになります。直立した茎の先に長さ20~50㎝の花序をだし、直径2~2.5㎝の黄色~やや橙色を帯びた花を沢山つけます。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
ヨウシュヤマゴボウ:高さは1~2mになります。花は直径4~5㎜ほどの白色でわずかに紅色をしています。花弁はありません(花弁に見えるのは顎(がく)と呼ばれるものです)。果実は黒紫色に熟し、つぶすと紅紫色の汁が出ます。北アメリカ原産の帰化植物です。

  


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