野草観察
    8月に出会った野草

長岡 弘
  2区隊
  職種: 普通科


今月も厳しい暑さの中で逞しく花を咲かせている、いろいろな野草に出会いました。
特にイネ科の植物が目立ち、11種(①~⑪)を掲載しました。
なお、野草観察は今月をもって終了させていただきます。ご覧いただき有り難うございました。

メヒシバ:高さは30~90㎝ほどです。日当たりのよい道端や荒地などにごくふつうに生えています。次のオヒシバに比べ、か細くて優しい感じがします。
オヒシバ:高さは30~60㎝ほどで、茎や葉が丈夫なので、メヒシバに対してこの名が付けられました。メヒシバと同じような自生環境にあり、隣り合わせで並んでいる姿もよく見かけます。

  

キンエノコロ:「6月に出会った野草」で紹介したエノコログサ(⑫)の仲間です。穂の色が黄金色であることからこの名があります。高さは30~80㎝ほどです。道端や草地などにごくふつうに生えています。
ムラサキエノコロ:これもエノコログサの仲間です。穂の色が紫褐色であることからこの名があります。高さはキンエノコロと同程度で、同じような自生環境にあります。

  

ホソムギ:高さは90㎝ほどになります。ヨーロッパ原産の帰化植物です。明治時代に牧草として輸入されたもので、現在では各地に野生化しています。
ネズミムギ:高さは80㎝ほどになります。姿・形はホソムギによく似ていますが、花を包んでいる葉のような形をした外花頴(がいかえい)の先に1㎝ほどの針状の突起(芒・のぎ)が出ています。明治時代に牧草として輸入されました。ヨーロッパ原産の帰化植物です。

  

キシュウスズメノヒエ:高さは20~40㎝ほどで、穂がV字につくのが特徴です。水辺を覆いつくすように広がって水路を詰まらせたり、生態系にダメージを与える可能性があることから、外来生物穂により要注意外来生物に指定されています。熱帯アジア・アメリカ大陸原産の帰化植物です。荒川右岸の河口付近で出会いました。和歌山県で発見されたことからこの名があります。
タチスズメノヒエ:高さは1.5mほどになります。茎の先の方に10~20本ほどの穂をつけます。南アメリカ原産の帰化植物です。

  

カモガヤ:高さは0.3~1.2mほどです。明治初期に牧草として輸入され、現在では各地に野生化しています。ヨーロッパ~西アジア原産の帰化植物です。
イヌビエ:高さは0.8~1.2mほどです。食用にならないヒエということから「イヌ」が冠せられています。ほかにイヌムギ、イヌアワなどがあります。草地や溝の縁などいたる所に生えています。

  

コスズメガヤ:高さは10~40㎝ほどで、日当たりのよい道端や草地などに生えています。
コゴメイ:高さは0.8~1.5mほどで、オーストラリア原産の帰化植物です。在来種のイグサに姿は似ていますが、茎の断面ははしご状になっています(右下の枠内参照)。イグサの茎は中実です。

  

セイヨウミヤコグサ:茎は地を這って広がり50㎝ほどになります。花はミヤコグサに似ていますが、花茎の先に5個内外の花を固めてつけます。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
ミヤコグサ:茎は地を這って広がり15~35㎝ほどになります。花茎の先につく花の数は1~3個です。

  

メリケンガヤツリ:茎は太くて断面は三角形、高さ0.3~1mほどになります。川原や湿地、草地など湿り気のあるところに生えます。北アメリカ原産の帰化植物です。
ユメノシマガヤツリ:高さは30~70㎝ほどです。東京湾の埋め立て地・夢の島で1982年に確認され、現在では東京,千葉,埼玉の海岸や砂質の湿地で認められています。アフリカ南部~オーストラリア原産の帰化植物です。

  
 
ヘクソカズラ:何とも気の毒な名前ですが、花や葉を揉んだリ潰したりしたときの臭気からこの名があります。茎は他の木や草に絡まってよく伸びます。白い花冠と紅紫色の喉の部分が程よいコントラストになって目立ちます。日当たりのよい藪や草地、土手などに生えています。
ヤブカラシ:荒地や藪などに生えるつる性の植物です。花は1個の雌しべと4個の雄しべ、それに4枚の薄緑色の花弁がありますが、雄しべと花弁は開花すると直ぐに散ってしまいます。

  

カワラナデシコ:高さは30~80㎝、花は直径3~3.5㎝ほどです。花弁が細かく糸状に裂けているのが特徴です。日当たりのよい河原や草地などに生えます。隅田川右岸の堤防で出会いました。
クルマバザクロソウ:茎は地を這い広がって長さ30㎝ほどになり、節には細長い葉が4~7枚つきます。熱帯アメリカ原産の帰化植物です。

  

スベリヒユ:茎は地を這って広がり長さは20㎝ほど、葉は厚ぼったく光沢があります。花は直径6~8㎜、日を受けて開き日中はしぼんでいます。
タカサゴユリ:高さは1.0mほどになります。花は直径13㎝ほどでラッパ状になっています。台湾原産の帰化植物です。

  

ギシギシ:高さは0.6~1mほどです。果実をのせている葉のような形をしたもの(内花被片)にはぎざぎざの切れ込みがあります。空き地や道端、草地などの比較的湿った場所に生えています。花は撮れませんでした。
ホナガイヌビユ(アオビユ):高さは40~90㎝ほどで、江東区内では道端のあちこちで目に付きます。日本には大正末期に入り、道端や牧草地、荒地など全国いたる所に生えているようです。熱帯アメリカ原産の帰化植物です。

  

マルバハッカ:高さは30~80㎝ほどです。枝の先に花穂を出し、白色又は淡紫色の小さな花を沢山つけます。豊洲市場の建築現場付近を通りかかった時、ハッカの芳香が漂ってきて出会うことが出来ました。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
ミズヒマワリ:高さは0.5~1mほどで、河川等の水中や水際に生育します。荒川左岸の河口付近で出会いました。外来生物法により特定外来生物に指定され、栽培や移動が規制されています。7月紹介のオオキンケイギク(⑰)も同様に指定されています。熱帯アメリカ原産の帰化植物です。

   

ヤナギバルイラソウ:高さは1mほどになり、花は直径5㎝ほどです。生命力旺盛で石垣の僅かな隙間に生えていました。メキシコ原産の帰化植物です。
ケチョウセンアサガオ(アメリカチョウセンアサガオ):高さは1m以上になります。花は夜に開き、直径10~13cm、長さ12〜19cmほどで、トランペットのような形をしています。北アメリカ原産の帰化植物です。

  


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