アクセスの不便さもあり、これまで二の足を踏んでいたが、9月初め台風一過の好天に誘われ北アルプス裏銀座の一部を歩いてきた。 長野県側の高瀬ダムから、日本三大急登の一つに数えられる標高差1,300mのブナ立尾根を烏帽子小屋まで登る。 そして烏帽子岳(2,628m)から裏銀座の稜線を、360度の絶景を楽しみながら野口五郎岳(2,924.5m)まで往復23kmを1泊2日で歩くという行程だ。 北アルプス裏銀座のスタート地点。ここから延々と続く急峻なブナ立尾根が始まる。 烏帽子小屋までのコースタイム4時間40分。 途中には12番から0番までの標識があり、ボッカの荷揚げの目安になっている。もっとも今では荷揚げの大半はヘリを使用しているようだが。 ブナ立尾根を登り切り,予定より早い到着だったので、引き続き烏帽子岳に登ることにする。 途中クサリ場が2、3ヶ所あり、慎重に登る。山頂は人ひとりようやく岩にしがみつくことができるほどの狭さ。 交代で山頂に立つ。 立山、後立山連峰の山々が織りなす絶景に息をのむ。 この尾根伝いのルートが野口五郎岳、水晶岳を経て槍ヶ岳まで続く北アルプス裏銀座だ。 にぎやかな表銀座(燕岳から大天井岳を経て槍ヶ岳)に比べ登山者の数はぐっと減る。 通好みと言えるかもしれない。 裏銀座の稜線は続く。 右奥の稜線上、一番右の双耳形の山は水晶岳。その奥に北アルプス最後の秘境、「雲の平」が広がる。 今日の宿、野口五郎小屋に到着。 野口五郎小屋からのご来光。山の朝の醍醐味だ。 ザックを小屋にデポし、野口五郎岳山頂に向かう。後方に見えるのは槍ヶ岳。 ところで、野口五郎とはどこかで聞いた名だが、人の名前ではない。 野口とはふもとの集落の名前。五郎は、ゴロゴロした石を「ゴロ」と呼び、五郎という字をあてているのだ。 他には「黒部五郎岳」という山もある。 雲海と、奥に槍ヶ岳。稜線の左の山は表銀座の名峰、大天井岳。 水晶岳。その後ろには雲ノ平が広がる。 帰路。烏帽子小屋まで続く縦走路。奥の山並みは鹿島槍ケ岳をはじめとする 後立山の山々。ここも雲海が絶景。 高山植物の女王、コマクサ。ほとんどが枯れていたが、一本だけ頑張って咲いているのを見つけた。 ようやく下山し、このつり橋を渡り、トンネルを抜ければゴールだ。 (9月5日・記) |
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野村 誠
10区隊
職種: 普通科