旅の2日目、カザフスタンから国境を越えて、3時間ほどバス移動をしてキルギスのビシュケクに到着しました。

               

キルギスの紹介
 キルギスの面積は日本の約半分、人口は約560万人で、キルギス人が73%、ウズベク人が15%を占めています。
宗教は主にイスラム教徒スンニ派でロシア正教も信じられています。

 中国との国境地帯を天山山脈が走り、国土の大半は標高3000mを越す高原や山地が占めています。
カザフスタンのように豊かな国ではありませんが、水力発電や農業、鉱業が主要な産業で、最近開発されたクムトール鉱山は世界屈指の金を産出しています。

 また、遊牧民族の興亡を活かした観光に力を入れています。

   


 キルギスの旗は太陽とキルギス人の伝統的なテント式住居の「ユルト」から構成されていますが、太陽の40条の光は国を構成する代表的な40の部族を表し、赤色は勇敢さ、勇気を表しているそうです。

キルギスの人材育成プログラム
 キルギスは旧ソ連邦が崩壊した1991年、中央アジア5か国の内で唯一、旧共産党の第1書記が大統領にならなかった国です。
アスカル・アカエフ大統領が14年間続きましたが、政変を経て、現在のアルマズベク・アタンバエフ大統領で4代目です。

 国力が小さかったこともあり、人材育成に力を注ぎ、有能な人材を海外留学させて、今では国の主要なポストについています。
日本も一流大学で留学を受け入れたり、ODAやJICAのプログラムで支援を続けた結果、今では親日国になっています。

キルギス人と日本人
 キルギス人も日本人と同じく、子供の頃お尻が青くなる”蒙古斑”があるそうです。
また、キルギスの民族楽器にアイヌの民族楽器ムックリ(口琴)とそっくりなものがあります。

                  
 キルギスの民族音楽・女声 (CD)
                  ◎ キルギスの民族音楽・男声 (CD)
                  ◎ キルギスの民族音楽・楽器 (CD)

ビシュケクの町
 ビシュケクは19世紀にできたロシア風の人口70万人の町で、以前は、フルンゼと呼ばれていました。
「アル・ケメ(白い船)」ホテルに宿泊し、朝、ホテルの近くを散歩しているとガガーリンの銅像がありました。
ガガーリンはキルギス出身だったかな(?)と疑問に思いましたが、実は「アル・ケメ」ホテルがソ連時代の飛行場の跡地に建てられており、飛行場にあった銅像を残したのだそうです。
 

3日目 アラアルチャ国立公園へ
 キルギス最初の国立公園であるアラアルチャ自然国立公園に行き、ミニハイキングをしました。
モミの木が豊かで、リスなどの動物も近くで安心して遊んでおり、市民に親しまれています。
近くには大統領公邸もあります。
1時間ほど歩くと、中央に氷河がある4692mのカローナ峰が見えました。

 

チョルポンアタへ移動
 ビシュケクからイシク・クル湖の湖畔の町チョルポンアタへ移動します。
イシク・クル湖はソ連時代には、外国人の立ち入りが禁止されており、「天山山脈の山ひだ深くに隠されている幻の湖」とか「中央アジアの真珠」とも呼ばれており、琵琶湖の9倍の広さがあり、湖面の標高は約1600mだそうです。

 外国人の立ち入りが禁止された理由は、イシク・クル湖畔にソ連の情報組織の教育機関があったからのようです。

牧畜
 馬・牛・羊などがのんびりと草を食べていました。カウボーイ姿の遊牧民の末裔の姿も見かけました。
雪を被った山の向こうはカザフスタンです。チョルポンアタとアルマティは山を隔てて、すぐ近くにあります。

 

農業も盛ん

 牧畜の他に農業も盛んで、丁度ジャガイモなどの収穫が行われていました。おいしそうな大きなジャガイモでした。
旅人の喉を潤すためか、熊の手から水が出ていました。

 

日本人抑留者が鉄道建設に参加
 第2次大戦後、日本人抑留者70名がキルギスに送り込まれ、ビシュケクとイシル・クル湖畔の町バルクチを結ぶ180kmの鉄道建設に抑留ドイツ兵とともに働いたそうです。
日本人抑留者も栄養失調などで亡くなり、最後には10名が生き残ったそうですが、ドイツ人は鉄道完成時に全員射殺されたそうです。

 バルクチの町にはソ連時代の計画経済で屋根瓦を作っていた工場の残骸がまだ残っていました。

 

湖畔の岩絵
 チョルポンアタのすぐ近くに岩絵野外博物館があります。
カザフスタンのタムガルの岩絵と同じく、サカ族が描いたものですが、時代は紀元前8世紀と大分、新しいものです。
現在、サカ族はトルコに住んでいるそうです。

 

4日目 湖畔のリゾートホテル
 イシク・クル湖のリゾートホテルCreven Four seasonsに宿泊しましたが、美しいいいホテルでした。

 

カラコルの町を観光
 約3時間湖畔を東に移動して、カラコルの町に到着しました。この町は海抜1700mで、湖東の交通の要衝です。

ドゥンガン・モスクと木造ロシア正教会
 中国のドゥンガン人(回族)が、この町にやってきて建てた木造のモスクで、ミナレットもついている。もっと大きなモスクに建て替えたいと計画が描かれていました。

 ロシア正教会(聖三位一体教会)は、19世紀末に建てられたが、革命直後に壊され、30年ほど前に再建されたそうです。

 

JICAショップ
 日本のキルギス支援の一環としてJICAがイシク・クル湖の周辺の村々に一村一品を指導しており、この店でジャムや手作り製品などを売っている。村おこしのマラソン大会も行われているそうです。
以前、小林綾子さんが「こんな所に日本人が」という番組で紹介して、知られるようになったそうです。

 

鷹狩の実演
 キルギス人の鷹匠による鷹狩を見ました。 
約4kgの鷹は20mくらい離れた所から、あっという間に獲物の兎を捕まえてしまいました。

 

更に湖の南にまわって天山山脈に登るように移動して、赤い岩肌の奇岩が続くジェティオグズ(7頭の牛)に到着しました。
ここは海抜2200mくらいで、少し寒いです。

 

5日目 イシク・クル湖クルーズ
 昨日の雨模様から一転、最高のクルーズ日和になりました。
専用のクルーズ船で約1時間のクルーズを楽しみましたが、この湖の透明度はバイカル湖に次いで世界第2位だそうです。

 イシク・クル湖には200本の川が流れ込むけれど、1本の川も流れ出ないそうです。
水底に秘密の出口があるのかも知れません。

 

 湖の前方には遠く7000m級の天山山脈が連なり、その向こうは中国、また、後方にはクンゲイ・アラトー山脈が連なり、その向こうはカザフスタンになります。

 

トクマク観光
 クルーズを楽しんだ後は、西へ走って遊牧民族カラ・ハン朝の都の1つであるトクマクを観光しました。
村のレストランでお嬢ちゃんのサービス付きのロシア風料理をいただきました。

 

ブラナの塔
 遊牧民族国家カラ・ハン朝の首都だったバラサグン遺跡にブラナの塔がありました。
塔は建築当初は45mあったが、15世紀に地震で上部が崩壊して、24mになっています。
丁度この塔の前をシルクロードが通っていたそうです。

 

石人像
 ブラナの塔の周りにはたくさんの「石人像」がありました。
キルギス各地から集められたもので、チュルク(トルコ)系の突厥の戦士の墓と言われています。

 

青き狼
 アルタイ山脈から移動して来たキルギス人の伝統的なコクボル(青き狼)。
馬上での落とし合い、山羊を奪って相手のゴールに投げ入れる競技に匈奴の血が甦ります。

 

アクベシム遺跡
 ブラナの塔の近くに今は廃墟となった仏教寺院跡があり唐時代の砕葉城跡と推定されています。
玄奘三蔵法師がインドに向かう途中、ここで突厥の可汗(王様)に丁重に接待されたそうで、ソ連時代に発掘した立派な仏像はエルミタージュ美術館にあり、これから更に日本の協力で遺跡発掘を実施するそうです。  
 ここはまた、唐の詩人李白の故郷でもあります。

 3頭立てのロバ車に乗った少年たちが砂糖大根を満載して帰って行きました。

 

第6日目 ビシュケク市内・アラトー広場・国立博物館
 アラトー広場の中央にキルギスの旗とマナス王の像がありました。
キルギス共和国ではマナス王は民族の英雄として顕彰されており、少年マナスが国家統一をしていく物語は「オデッセイア」や「ラーマーヤナ」をしのぐ世界一の長さを持つ叙事詩と言われているそうです。

 国立博物館には、旧ソ連時代のレーニンの像が多く残されていて、不思議な思いに包まれました。

 

オシュバザール
 バザールには菓子・ナン・肉・乳製品などが売られていましたが、さすが、馬肉売り場が壮観でした。

 


カザフスタン・キルギスの旅を終えて
 たった9日間で巡った旅、特にカザフスタンは南東部分をほんの少しかじった旅で、わかったようなことを言えないのは認識していますが、これらの国が安定していて、将来の発展にかける熱い思いを感じました。

 カザフスタンやキルギスには大草原を疾走していた遊牧民族の血が今も脈々と流れているように感じ、また、この国々と日本が深い友好関係を持っているのを知って、私も何か貢献したいような気持になりました。

 今回の旅ではインチョン経由で行きましたが、日本からアルマティやビシュケクに直行便が飛ぶような話もありますし、5月になるとカザフスタンやキルギスの大草原には美しい花々が咲くそうで、今度は、ぜひそんな季節に再訪したいと思いました。



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「カザフスタン・キルギスの旅」
2015年10月9日〜17日
(キルギス編)